西暦2030年。
核戦争による第三次世界大戦終結後の日本は
特権階級者達による断種政策のデストピアと化す。
男女隔離政策によって滅亡へと歩む日本社会に一本の真っ直ぐな純愛を貫く
平巡査の廻狂四郎(めぐり・きょうしろう)と小松由利加(こまつ・ユリカ)の
恋の行方は如何に?
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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狂四郎2030のあらすじ
物語は2030年の日本を舞台に始まります。
核戦争後の日本は荒涼とした大地が続き廃棄された兵器や
国を失った兵士などが徘徊し危険な場所と化していました。
そんな時代にも関わらずのんびりとしながら
小型ヘリでパトロールしている人間の姿がありました。
彼の名前は廻狂四郎(めぐり・きょうしろう)。
かつては第三次世界大戦で活躍した英雄ではありましたが
ある事情によって、戦後は地方の平巡査としての日々を送っていました。
いつもの巡回パトロール中に荒野を走る二つの影を見つけます。
一人は老人。
狂四郎2030
もう一人は絶世の美女と狂四郎は慌てて小型ヘリから飛び降り
助けに入りますが老人が追いかけていたのは
ただの一匹のみすぼらしい犬でした。
砂漠で美女はいないよなと自分の見間違いにあきれている中
信じられない事が起こります。
それは助けた犬が喋ったのです。
なんとその犬はとある天才科学者の
クローン脳を移植された天才犬だったのです。
後にバベンスキーと名付けられる犬と
共に住むことになった狂四郎。
これが後にどんな物語を生むのか希望か絶望か
そんな先の見えない時代に挑む事となる物語の始まりです。
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狂四郎2030のネタバレ
ひょんなことで狂四郎が助けた犬は今世紀最高の天才頭脳を持つ
八角清高の頭脳を持つ天才犬だったのです。
人間の言葉を喋り狂四郎では理解できないような医学用語などを
ぺらぺらと流暢に説明し狂四郎を驚かせてしまいます。
のちにバベンスキーと名付けられる彼(?)がなぜに
そんなに天才なのかそれは八角清高のクローン脳を移植されたからです。
博士本人による英才教育を受けていたバベンスキーですが清高博士の真の目的は
教育を施し自分の知識の全てを与えたバベンスキーの頭脳を最終的に
自分の脳として移植する為だったとその真実に気づいたバベンスキーは
逃げてしまいます。
そんな逃走劇の果てに清高博士は脳出血によって死亡してしまいます。
複雑な心境のまま博士を埋葬し狂四郎はその場を去ろうとしますが
天才なバベンスキーならば自分の悩みを解決してくれると
自分の住処へと来てほしいとその日を境に
彼の相棒になってしまったバベンスキー。
狂四郎2030
狂四郎に案内され戦後の日本を見て驚く事になります。
男女との隔離政策がとられ一般人は子供を産む事を禁止され
農場で労働に従事されていました。
また特権階級者による階級社会となり完全な管理社会と化していた事や
またストレスなどは全てバーチャルで発散することを
義務付けられていた事に驚きます。
また戦争中に活躍していた筈の狂四郎がM型遺伝子理論により
遺伝的な犯罪者として国家に不当な扱いを受けている等
地獄のような世界に唖然としてしまいます。
そんな狂四郎の深刻な悩みとはバーチャルの彼女と上手くいっていないと
恋の悩みを持ちかけられますがバーチャル世界の「志乃」は実は現実にいる
小松由利加という実在の人物だった事をバベンスキーが解き明かしたことにより
狂四郎と由利加とバベンスキーの物語は複雑な物語へと進んでいきます。
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狂四郎2030の感想
徳弘正也先生による近未来の荒廃した日本を舞台にした漫画「狂四郎2030」は
最初は滅亡に瀕しながらも明るく生きる人類のギャグSFになる予定でしたが
途中よりシリアスなストーリーものとしてシフトチェンジし
長期の連載に成功した意欲作でもあります。
この物語の中で語られる遺伝子の優劣により自分の人生が決定してしまうと言う
当時話題になっていたクローン技術やより身近に人とのコミュニケーションをとることのできる
インターネットなどを取り入れるなど漫画の面白さを深くしています。
狂四郎2030
第三次世界大戦が終結し人間が管理され死滅へと向かうデストピアな近未来の日本で
互いに好きになってしまった狂四郎と由利加ですが二人の恋はすんなりとはいかずに
色々な障害に見舞われてしまう事になりますがそんな苦難を乗り越える二人と
一匹の姿がただ直向きにそして前向きに生きようとする人間の生き方を見せてくれます。
また近未来らしくクローンによって造られた人間や管理社会の弊害などもテーマになっており
SF作品の新しい形を作った作品とも言えます。
深い徳弘正也先生の織り成すストーリーを堪能したい方にはおススメな作品です。
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