阿部定事件~ふたりの女~のネタバレと感想!試し読みはココ


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世の男性を魅了する美貌が故に
己が人生を狂わしてしまった三人の妖女達。

 

大正史を震撼させた独占欲と嫉妬欲の愛憎劇である「阿部定事件」を題材にした
持つ者と持たぬ者の二人の女の数奇な運命を描いた「阿部定事件~ふたりの女~」

 

明日なき動乱の時代に生まれたが故に己が美貌で男に身を任せるしかない
身寄りなき女郎の悲恋劇「尼港の惨劇」

 

愛してしまった男は冷酷非情な殺人鬼・・・言われるがままに死体を消す事を命じられ
それが日常となってしまう主婦の転落劇「透明なボディー ―愛犬家連続殺人事件―」 

 

実話をもとに描かれる美しい女達の悲話の結末の先にあるものは?

 

ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。

 

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お前のおクチを塞(ふさ)がないとな?~彼に教わるMの品格~

 

阿部定事件~ふたりの女~のあらすじ

 

大正から昭和の時代。

 

それは激動の時代とも言われ大きな変化と
世の中のうねりに揺れ動いていた時代でもありました。

 

そんな時代に生まれ女として生を受けてしまった彼女達。

 

一人は自由に愛に生き一人は動乱の時代に振り回され
一人は平安の世ゆえに狂わされそれぞれの悲劇へと見舞われていきます。

 

実際に起きてしまった事件を題材に描く絶世の美貌を持つも
平穏な幸福を得られる事の無かった彼女達の物語。

 

それを紹介していきたいと思います。

 

「阿部定事件~ふたりの女~」
昭和11年、5月19日。

 

二人の子を持つお栄は今日も忙しなくに家事に育児と
口の悪い祖母の介護に追われていました。

 

暇がなく翻弄される日々が今日も一日始まろうとしています。

 

そんな時夫である建造があわてて居間へと駆けこんできました。

 

何事かと思えば持ってきた新聞を見て
これはおまえの幼馴染ではないかと訊ねてきます。

 

見てみればそこには一面を飾る殺人事件の記事。

 

愛人男性の惨殺死体。

 

その死体に血文字を刻み込み下腹部を切り落とし
それを持ち去る愛人の女。

 

読むだけでも凄まじい事件の内容。

 

でもお栄が一番に驚いたのは犯行を行った
その女性の名前でした。

 

女中・阿部定。

 

その名前にお栄は驚愕を隠せませんでした。

 

かつては定ちゃんと呼び自分の大切な遊び友達だった幼馴染が
その犯行を行ったのです。

 

定とお栄は生まれが一緒の幼馴染でした。

 

お栄は貧しい左官職の家に生まれ
定は由緒ある四代続く畳屋の娘として生まれたのです。

 

定はお栄とは違い美貌と容姿に恵まれ大切な末娘として
甘やかされて育てられていたのです。

 

定はいつも綺麗な着物や飾りなどを与えられ小学校では無類に男子から好かれ
一心に沢山の寵愛を受けていたのです。

 

その逆お栄は家事や家の内職などの手伝いをやらされ
ひたすらにこき使われていました。

 

人並みの容姿であり彼女の様に一際に目立つ容姿を持たない彼女は
いつしか定の日陰として生きていました。

 

自由奔放に思うままに生きる定と
家族の為にすり減らされるまま生きるお栄。

 

小学校を過ごしていく中で
お栄は定に劣等感を抱き始めていきます。

 

やがてお栄にある不幸が訪れました。

 

重い病を患い高等学校を諦め家の家計を支える為に働くお栄。

 

でも定はより美しさに磨きがかかり
多くの男性に愛される女性へと成長していました。

 

奔放な性格も磨きがかかりより自由に気ままに生きています。

 

その逆にお栄には異性を感じる間もなく
自由を感じる暇すらありませんでした。

 

そんなある日定に付き合っている彼氏を紹介されてしまいます。

 

それは見目麗しい色白の美少年である有名大学の生徒である村井高でした。

 

色恋に疎いお栄も見惚れてしまう程に美しい美男子に
いまや銀町小町として街の男達に見惚れられてしまう彼女に
お栄はいたたまれない嫉妬を抱いてしまいました。

 

でもその抱いた微かな嫉妬が定の人生を
狂わしてしまうきっかけになってしまうのです。

 

ある日何時もの様に働いていたお栄は
恋人の高と逢引きしていた定を見つけます。

 

今日は両親がいないと定を自宅へと招く高。

 

そのまま自宅へと入る彼女を見送ると
その後にいかにも風体の悪い学生が上がりこもうとしていたのです。

 

定の高は札付きの悪でその仲間と共に彼女を辱めようとしていたのです。

 

でもそれを自分には関係ないと少し痛い目に合えばいいと
お栄は誰にも知らせずに仕事へと戻ってしまいます。

 

そしてそれが二人の今後の人生を大きく分けてしまうのです。

 

「尼港の惨劇」

 

1919年・大正8年ニコライエフスクそれはユーラシア大陸の
北東部を流れる川であるアムール川の河口にある港町。

 

日本からは尼港と呼ばれ日本人・朝鮮人・中国人・ロシア人などの
様々な人種が蠢く巨大なる港町でした。

 

そしてそこは様々な国の思惑が蠢く
権謀術策の地でもあったのです。

 

そんな港町で日本人相手に身を売る女郎の小崎カヨは
あるロシア人の青年と出会ってしまいます。

 

チンピラに難癖をつけられ襲われていたカヨを
救ったロシア人の名前はヤコフ。

 

気の良い優しい精悍な身体つきをした青年でした。

 

自分を助けてくれた彼にカヨは
自分の身を使い慰めていきます。

 

そんな彼女との甘い夜伽を過ごし二人は
恋に落ちてしまいます。

 

それ以来ヤコフはカヨと共に居たく
彼女を指名し通い続けていきます。

 

阿部定事件~ふたりの女~
阿部定事件~ふたりの女~

 

共に尼港で二人だけの時間を過ごし
距離を縮めていきます。

 

このままこの時間が過ぎてほしいと願うカヨ。

 

でも相手はロシア人。

 

異国の男性に違いはなく身寄りもないただの女郎の自分とは
夫婦になる事も出来ないと気を重く持ってしまいますが
彼と共に居る時間の幸福は偽りのないものでした。

 

でもそんなささやかな幸せは
一瞬にして崩れ去る事になってしまいます。

 

何時もの様にヤコフと共に尼港を散策しようとした時
カヨのなじみ客である日本兵に絡まれてしまいます。

 

多勢に無勢と追い詰められたヤコフですが日本兵とのいざこざの中で
拳銃を日本兵に向かって撃ってしまったのです。

 

威嚇として放った銃声が響く中でヤコフは
カヨと迎えに行くと約束しその場を去っていきます。

 

突然の別れとなり無為な日々を過ごす事となるカヨ。

 

でもヤコフの約束は驚くべき形で果たされる事となります。

 

「透明なボディー ―愛犬家連続殺人事件―」

 

1993年日本。

 

世はバブル景気に浮かれ誰もが金に困らず
金に踊らされていた時代でもありました。

 

誰もが幸せであると錯覚し
泡の様に消えてしまう景気の中に酔っていた時代。

 

この物語と事件に巻き込まれ
人生を狂わしていく一人の女性がいました。

 

彼女の名前は風平陽子。

 

夫の浮気が原因で離婚してしまいシングルマザーとして子育てをしながら
それなりに平穏に過ごしていました。

 

資産家である陽子の実家の援助もあり
生活に不自由しないいわゆるお嬢様。

 

でも一人の時間と子育てに翻弄され
女として持て余してもいました。

 

そんな彼女がふと立ち寄ってしまったペットショップ。

 

名前は「アラスカケンネル」と言い
そこで運命の出会いをはたしてしまいます。

 

その店の店長である関口一。

 

一瞬見れば怖そうな顔つきをした青年ですが話しをしてみれば
気さくで優しい性格をした頼りがいのある15歳差のある年上の男性でした。

 

そんな彼と恋に落ちるのは長くはなく
陽子は彼を新しい人生のパートナーとして恋をして行きます。

 

そして結婚を決めますが陽子の両親は
その結婚を猛反対します。

 

それは一には数多くの離婚歴があり
また彼の背中には獅子の入れ墨が彫られていたのです。

 

裏に何かあると察し反対する両親。

 

でも陽子の決意は鈍らず父親の突然の死を境に結婚を果たしますが
それが彼女の地獄の始まりだった事を彼と結ばれた彼女のは知る由もありませんでした。

 

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阿部定事件~ふたりの女~のネタバレ

 

あの日定が高の自宅へと連れ込まれた日。

 

彼女は不良共に犯され散々と辱められてしまったのです。

 

それ以来傷物の娘として両親から見捨てられ
遊女として売り飛ばされてしまいました。

 

あの時に自分が誰かに助けを呼べばと後悔し
幼馴染の不幸に責任を感じますが
微かな爽快もあったのです。

 

浮ついたが故に身を滅ぼしてしまった定。

 

その後定の実家は落ちぶれてしまい彼女と音信不通となり
行方は知る事はありませんでした。

 

一方お栄にも不幸が訪れます。

 

関東大震災の憂き目にあい実家を失い父親も死に
家族の為にある男と結婚する事となります。

 

相手は三沢建造と言い彼と結婚すれば、家の援助をするとの申し出。

 

身を固める歳だと言い言われるがままに建造に嫁ぎますが
彼は粗暴な男でした。

 

酒飲みで乱暴者と嫁ぎ先で折檻を受け
また彼の母親である姑にもいびられる毎日を過ごす事となります。

 

さらに過酷になるお栄の生活。

 

やがて子供が生まれますが今度は子育てに翻弄される日々。

 

二人の息子を育て姑の面倒や夫の生活など
慌ただしい日々を過ごすお栄には女の幸せはありませんでした。

 

そんな時夫が料亭「吉田屋」で酔って暴れているとの知らせが届きます。

 

慌てて向かう吉田屋でなんと数年ぶりに定と出会ってしまうのです。

 

芸者や遊女などに身をやつした苦労はなくその美貌はさらに磨きがかかり
妖艶な美女として成長していたのです。

 

売られた先でその美貌で男に取り入りまた奔放な性格と勝気さで
盗みや悪さを行い自分が想うままに生きていたのです。

 

しかも彼女は吉田屋の主人である石田吉蔵と不倫をし店を持たせてやると約束までされ
非常に恵まれた生活をしていました。

 

幸せそうな満ち足りた様子をみせる定。

 

お栄はかつて満たされていた嫉妬を再燃させてしまいます。

 

真面目に生きて言われるがままに働き家族の為に尽くしているのに
恵まれない人生を送る自分と不真面目に自分勝手に生き自分の為に生きている定。

 

お栄は再び嫉妬の炎を燃やし定と吉蔵の不倫を
吉田屋にばらしてしまったのです。

 

不倫の不義密通は吉蔵の妻に知られるところとなりこれで定も
終わりだとお栄は細く笑みを浮かべます。

 

ですが定と吉蔵は逃避行を行い吉田屋から逃れてしまったのです。

 

各地を転々とし吉蔵と逢引きを楽しみながら
女の幸せを満喫する定。

 

でも独占欲が行き過ぎてしまい吉蔵を逢瀬の最中で殺めてしまいますが
彼女は悪びれる様子は無し。

 

世間は彼女をはやし立てお栄は自分の今の境遇と
定の華やかな人生の万丈。

 

お栄はただ悔しさに涙します。

 

「尼港の惨劇」

 

1919年11月カヨのいる尼港を赤軍パルチザンが
突如として占拠し日本兵を追いやってしまいました。

 

平和が一転し屍が漂う戦場と化してしまった尼港。

 

阿部定事件~ふたりの女~
阿部定事件~ふたりの女~

 

そんな中カヨは赤軍パルチザン本部の
出頭を命じられてしまいます。

 

女の身の上で決して安易なモノでは無いと覚悟を決めていたカヨですが
そこにはヤコフが待っていました。

 

ヤコフは赤軍パルチザンの司令官だったのです。

 

共産主義の社会の実現を目指す彼はこの街を救うべくに
日本軍と立ち向かっていたのです。

 

良い世の中を作るのだとカヨみたいな女性を増やさないと真摯な眼差しでヤコフは
これからずっとカヨを守ると誓い彼女を受け入れてくれました。

 

夢物語みたく愛する人に救われた彼女ですが
それはほんのささやかな幸せでしかなかったのです。

 

赤軍パルチザンが尼港を占拠した翌日。

 

街に住まう日本人の虐殺が始まっていきました。

 

カヨの顔見知りも含まれ次々に連日連夜に殺されていく日本人達。

 

彼女はその中から偶然に救われただけの人間でしかなかったのです。

 

これも共産主義の実現の為に必要な事だと
虐殺の手を休めないヤコフ。

 

やがてそれは最悪な破滅へと向かっていきます。

 

「透明なボディー ―愛犬家連続殺人事件―」

 

一と無事に結婚を果たした陽子。

 

バブル期の景気もあってか店は繁盛し
彼女は幸せの絶頂にいました。

 

やっと運命に人に出会えたのだと喜ぶ彼女。

 

一との生活は幸福に包まれやがて一人娘を授かり
陽子はさらなる幸せを手に入れていきますが
ある日彼女は一の本性を知ってしまうのです。

 

そう店の経理を行っていた彼女は
不正な取引を見つけてしまいます。

 

それは暴力団関係の業者との癒着。

 

一は犯罪に手を染めていたのです。

 

それを知り真意を問いただします。

 

そしてようやくに陽子は一の本性を知るのです。

 

彼は人殺しも厭わない程の悪人であり
冷酷非情な悪人だったのです。

 

彼女との結婚も資産家である実家が目当て。

 

彼女の父親の死も彼が行った所業だったと知りますが既に手遅れ。

 

彼女は逃れられない悪魔の妻となってしまい
転落へと堕ちていってしまうのです。

 

やがて、破滅へと向かう不幸が始まります。

 

バブル期の終焉。

 

店は傾き借金がかさみ生活が困窮していく中で
一は借金のトラブルから人を殺めてしまいます。

 

でも彼は人殺しを意に介した様子もなく平然としながら
陽子に死体の処理を手伝わせていきます。

 

死体を斬り肉を削ぎ骨を砕き焼いて処分をする。

 

何もなく死体を跡形もなく透明する作業を手伝わされていく陽子は
次第にその行為を受け入れ、理性を壊していきます。

 

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阿部定事件~ふたりの女~の感想

 

安武わたる先生の描く女の苦難をテーマに描く
ヒューマンストーリーが見どころとなる作品の数々。

 

戦争の時代に生きまた女郎や吉原など女性蔑視の激しい時代に生きた女の持つ逞しさと
その生き様と女性の屈強な強さを見る事の出来る作品を手掛ける安武わたる先生の描く今作は
実在の事件をテーマ下地にしそこに独特なドラマを織り交ぜ描いています。

 

阿部定事件と大正史を賑わせた女の恐るべき所業を独自の観点から見つけ
犯人である定に幼馴染がおりその幼馴染の視点から定の栄枯必衰の人生を描き
奔放に彩りある人生を堪能する妖女の一代記として楽しめる内容となっています。

 

また定とは違い献身的に生き恵まれなかったお栄の悲哀など
彼女の気持ちが如実に伝わる内容なども見どころもあります。

 

また「尼港事件」と後の世界大戦へと繋がっていく虐殺事件の中にあった、
人の女の幸福と転落を描いた「尼港の惨劇」は戦争と言う時代の思惑に振り回され
自分の愛を利用されていく一人の女の不幸をテーマに描かれています。

 

阿部定事件~ふたりの女~
阿部定事件~ふたりの女~

 

戦争に中で微かに見えた恋人の安らぎ。

 

でもそれは非業な最期を迎え彼女もまたその最後に巻き込まれていくと
悲恋の愛が目の離せない内容となっています。

 

そして今作の中でもサスペンス性の高い「透明なボディー ―愛犬家連続殺人事件―」は
1993年に起きた、実際の殺人事件をテーマにし非道なる男に嫁いでしまった女の
転落劇が見どころとなっています。

 

この作品では人を殺す事に躊躇しない男に理性を壊されていく主人公の姿が
ホラー性のある展開とも言え死体を言われるがままの方法で処分し淡々と人を壊していく
その異常性を受け入れる狂気に染まる展開などが見どころです。

 

美しい美貌を持つも幸せを手にする事の出来ない女達。

 

彼女の不幸を見つめ自分の幸福と見比べてみることの出来る作品です。

 

阿部定事件~ふたりの女~を読むしかない
 

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