重版出来(じゅうはんしゅったい)とは
書籍の重版が出来上がってその書籍が
販売されることだそうです。
専門用語がタイトルなんて専門的な漫画なんじゃ…?
いえいえそんなことはありません!
出版業界を舞台に個性的な登場人物が繰り広げる人間ドラマ。
全ての働く大人たちへの応援歌のような本作。
これを読めばきっとあなたも働くことが好きになる?
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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重版出来!のあらすじ
主人公・黒沢心(くろさわこころ)は女子柔道の元日本代表候補でしたが
怪我で柔道家の道を断念。
自分が柔道の道に進むきっかけとなった「漫画」の
出版の仕事に携わりたいと思い大手出版会社・興都館の入社試験を受験します。
最終面接の最中清掃員の老人がいきなり面接会場に乱入し
とっさに心は面接官の社員を庇いつつ老人を投げ飛ばします。
重版出来!
が実はこの老人の正体は社長だということが判り
面接に落ちたと思い込み落胆する心。
しかし社長は周囲をかばった勇気と武道家としての心の身のこなしから
「出版も勝負の世界。彼女のような人材こそいい働きをする」と採用を決定します。
一転採用となった心は希望どおり
週刊コミック誌「バイブス」編集部に配属されます。
心の新人編集者としての生活がスタートしました。
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重版出来!のネタばれ
晴れて編集者となった心は頼れる先輩の
五百旗頭(いおきべ)さんやごはん仲間の
壬生さんなどの編集部の面々に鍛えられ
日々成長していきます。
謙虚で素直な心ですがおかしいと思ったことには
信念を持ってぶつかっていきます。
重版出来!
大ベテラン漫画家・三蔵山龍(みくらやまりゅう)先生の
絵のデッサンの崩れは先生の執筆中の姿勢の悪化が原因だと気づいたり
人間不信の新人漫画家 中田伯(なかたはく)の才能を見出して
デビューさせたりと持ち前の行動力で問題を解決していきます。
もちろんすべて順風満帆というわけにはいかず中田と同時期に関わった
才能ある新人東江絹(あがりえきぬ)のデビューに関わることができず
挫折を味あわせてしまいます。
しかし心は東江の再デビューを待っていると約束し
自分自身も強くなろうと決意を新たにします。
そんな真っ直ぐでたくましい心の編集者としての活躍はまだまだ続きます!
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重版出来!の感想
この作品は群像劇です。
バイブス編集部の先輩社員たちや営業部など他部署の社員
ベテランから新人まで個性豊かな漫画家の先生たち
取引先の書店員さんなどエピソードごとに主役が変わり
それを心が見守りサポートし一緒に悩みながら
成長していきます。
出版業界が舞台ですが仕事をすることの大切さや難しさは普遍的で
他の業界で働く人もきっと共感できると思います。
特にやる気のない営業部の小泉君が心の泥臭いけど
楽しそうに仕事をする姿を間近で見て自分の中に眠っていた情熱に
気づくエピソードは「こんなはずじゃなかった」と思って
働く全てのサラリーマンに是非読んでほしいです!
優等生キャラの心はこの作品の良心になっています。
心以外の登場人物は大なり小なり心に闇を抱えています。
特に闇が深いのが、心の先輩編集者の安井さんと天才漫画家中田です。
安井さんは過去に自分の所属していた雑誌が廃刊になった経験から
売上を出さないと雑誌が潰れることを知っています。
とてもビジネスライクで作家に対して冷酷な彼の姿は嫌な奴に映りますが
安井さんには安井さんの信念があるのだと心は理解します。
認めたわけではありませんが安井さんの考え方を凌駕する経験も
説得力も自分には足りないので強くなるしかない!と思うわけです。
絵が致命的に下手すぎる天才中田は修行のため
三蔵山先生のアシスタントをすることになります。
KYな彼は先輩編集者と衝突したり先生の奥さんの思いやりを
「重い」と感じて反発したり問題児ぶりを発揮します。
それは彼の幼少期に母親に捨てられた過去の影響が大きく
頑なな彼の心は開くことはありません。
ある日中田の命とも言えるネームノートが無くなります。
誰かが盗んだと決めつけさらに尖る中田。
実はチーフアシスタントの沼田が
中田の才能に嫉妬して隠したのでした。
ノートが見つからずモヤモヤしたある日日の目を見ることがなかった沼田の
作品を中田が読み号泣します。
そして沼田が書きたかった作品の真髄を言い当てます。
嫉妬と羨望の対象だった中田が一番自分を理解してくれた。
そのことでわだかまりが解け
沼田は漫画家生活を卒業し実家に帰ります。
この二つ以外にも現実的で切ないエピソードが結構あります。
重版出来!
そのほとんどは根本的に解決されることはありませんが
未来に繋がる結果が用意されているところに作者の優しさを感じます。
多分心のような女の子は現実には存在しません。
心の存在が非現実的だからこそリアルで
重いエピソードも投げ出さずに読めるのだと思います。
現実は厳しい。
だからこそ心のように「強い心」で前向きに生きよう。
そう思わせてくれる奇跡のようなヒロインです。
出版業界が舞台なので専門的で敷居が高い印象は否めませんが
登場人物は個性派ぞろいで「これぞ漫画!」といった感じです。
一度作品の世界にハマってしまえば「バイブス編集部」を疑似体験できるかも?
自分の仕事への意識も変わる?労働者必見の本作。
就活中の学生さんも是非読んでみてください。
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