美麗なビジュアルに彩られた残酷絵巻。
18世紀のフランスに生きた実在の処刑人の人生を描く歴史大作です。
自分の仕事に誇りを持つことの大切さを考えさせられます。
歴史の勉強にもなる一粒で二度おいしい本作。
特に「ベルばら」ファンの方は絶対楽しめます。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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イノサンのあらすじ
18世紀フランス。
死神と恐れられた全処刑人の首領「ムシュー・ド・パリ」となる運命を背負った
シャルル・アンリ・サンソンの「純真(イノサン)」の物語。
その日パリの街を進む貴族風の親子の姿がありました。
彼らは死神として恐れられ忌み嫌われるサンソン家の家長バチストとその嫡男シャルル。
二人はいじめにあって寄宿学校を追われたシャルルの
新しい学校への編入の便宜を図ってもらうため
パリ市庁舎の商人長の元へ向かっていました。
恩着せがましい態度をとりつつも編入のための紹介状を書き
バチストの足元へ「拾え」と言わんばかりに放る商人長。
その尊大な態度に耐え礼を述べるバチストでしたが
シャルルはそれを辞退します。
「どうせ僕なんて」
どこに行っても悍ましい処刑人の一族として
虐げられることへの絶望に涙するシャルル。
その夜の晩餐で学校も家庭教師も拒否したシャルルに
祖母マルトは学校など行かなくてもよい。
家業である処刑人の仕事の修行を始めろと言い渡します。
![イノサン](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/m/RR759560.jpg)
イノサン
しかし激しく家業を継ぐことを拒絶するシャルル。
バチストはそんなシャルルを拷問部屋で折檻します。
結果苦痛に負けて家業を継ぐ約束をするシャルル。
すぐさま息子を開放し強く抱きしめるバチスト。
拷問で死ぬ前に家業を継ぐ決心をしてくれてよかった。
これはバチストにとっても賭けだったのです。
こうしてシャルルの処刑人としての人生が始まります。
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イノサンのネタばれ
処刑道具である長剣の修行を続ける少年シャルルに
初めてジャンという親友(BL的な?)ができます。
がそのジャンが死刑を言い渡されます。
投獄中に拷問を受けたジャンの顔は
晴れ上がり前歯も欠け見るも無残な状態に。
「死神めお前に近づくんじゃなかった!」
シャルルのせいで不幸にとりつかれたと罵声を浴びせます。
そしてジャンの死刑を執行するのは他ならぬシャルル!
一刀で首を落とせば苦痛無く罪人を殺めることができるのですが
シャルルはこの「初仕事」を失敗します。
首を落とせず剣でジャンの頭部を柘榴のように叩き潰すシャルル。
残酷な光景に処刑見物の観客からブーイングが起こりますが
父バチストのフォローでなんとか処刑は完了します。
サンソン家の副業が医療であること知り家業への見方が少し変わりかけたシャルルでしたが
根性なしの自分は出来損ないだとバチストに思われていることを知ってしまいます。
父への反目で開き直り凛とした佇まいで街へ繰り出すシャルルは
もはや女々しく頼りない以前のシャルルではありませんでした。
自分は子孫を残さずサンソン家の血を絶やしてやる。
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イノサン
そしていつの日か死刑の無い世の中をつくると
(死刑執行後2か月も晒されていた)ジャンの遺体に誓うのでした。
その後成長したシャルルは凄腕の処刑人となり
卒中で障害が残ってしまった父バチストに代わり
名実共に「ムシュー・ド・パリ」を継承します。
物語は妹のマリーの処刑人としての天賦の才が花開いたり(←第2部の主人公です!)
後に処刑されるルイ14世やマリー・アントワネットの登場など華やかに展開していきます。
妹マリーを守るためのサンソン家を牛耳る祖母マルトへの反抗
幼児退行したバチストの追放叔父ニコラの下剋上阻止などの傍ら
シャルルは女性を愛することを覚え結婚し子供を授かり
自分が憎んだ父バチストのかつての姿に近づいていきます。
妹のマリーは天才処刑人としての頭角をめきめきと現しますが
保守的になっていくシャルルの姿に失望し袂を分かちます。
そしてベルサイユ宮殿を舞台にシャルルとマリーの兄妹の対立は
ヒートアップしていくのでした。
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イノサンの感想
とにかく美形キャラが多いです。
主要キャラはほぼ全員美形。
そのキャラクターのビジュアルが血なまぐさい話を
キラキラでコーティングしてくれるため
結構気楽に読み進めることができました。
処刑の描写の妄想シーンが笑えます。
![イノサン](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/m/RR759560.jpg)
イノサン
特に八つ裂き大成功のシーンはギャグマンガか!?と
見まごうばかりの名シーン。
序盤の美少年ジャンの頭をミンチにするシーンは結構なグロさでしたが
それ以降はグロさ控えめからの妄想シーンになっているので
グロが苦手な方も楽しめるかと思います。
シャルルの妹のマリーがとにかくカッコいいです!
大人になってもどこか女々しいシャルルと対照的な
ワイルドで自由な様子にシビレます。
一人称が「マリー」なんてYAZAWAか!?
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