失恋専門。
人気作家尾崎衣良さんによる実らぬ恋を描いた短編集。
合コン帰りに事故に合い彼氏ができないまま人生のおえるのかと
悲しくなり「モテないまま死にたくない」と願う表題作『失恋専門』。
28歳で恋愛経験のない希の揺れる心が描かれます!
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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失恋専門のあらすじ
彼氏ができないまま28歳!
合コン帰りに事故に合ったしまった希。
薄れゆく意識の中思ったのはこのまま彼氏もできずに
モテない一生を終えるのは嫌だ!
目が覚めると中学からの腐れ縁のモテ男・折尾一真が
「ずっとモテないまま死ぬのは嫌だとうなされていて
かわいそうになったからもらってやるよ」と。
そうじゃない!と目覚めてそうそうブチ切れるのでした。
しかしその一真とは中3の夏休みに
一度だけキスをしたことがありました。
失恋専門
けれど付き合うでもなく過ぎてゆく日々。
希はきっと一真は自分ではないと思ったのだろうと
自己完結していました。
それなのに何故今更そんな冗談を言ってくるのか。
一真の心無い冗談なのだろうと思ってもその冗談に傷ついていたそんな折
事故直前の合コンで出会った陣原からお誘いのメールが来ました。
その場では一番恰好よかったモテ男。
夢にまで見た素敵な恋ができるのかといそいそと待ち合わせ場所へ行き
理想のエスコートに身を任せ付き合ってという言葉に舞い上がっていたその時・・・
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失恋専門のネタバレ
結婚はラブラブに社会的後ろ盾があるんだ。
はじめてのデートで陣原に告白されて有頂天になった希。
憧れのラブラブカップルがやっと経験できる。
公園の片隅で陣原にキスされそうになったその時
希は陣原から引き離されました。
後ろから希を引き寄せたのは腐れ縁の男一真。
退院そうそうふらふらしてて親が探してると言われ
陣原はそのまま帰っていきます。
しかし親が探していたというのは一真の嘘。
希は一真がなぜそんなことをするのかわからなくて
混乱し一真を責めます。
初めて告白されたのに!と。
しかし一真はそんなに自分を安売りするんじゃねえと希を一蹴。
簡単にキスされて安い女になるなと言われて希はカッとしました。
ではあの時のたった一度のキスはなんだったのかと。
売り言葉に買い言葉言われて一真も希こそ
どういうつもりでキスをしたのかと言い返します。
挙句「どうせ誰でもいいなら俺が練習台になってやるよ」と迫ってくるので
希は切なくて苦しくてその場を逃げ出しました。
数日後。
陣原からの連絡が途絶えていましたが初デートで
陣原から借りたマフラーだけは返そうと
陣原の職場の近くにやってきた希。
早い時間についてしまったので近くのカフェでお茶をしていると
偶然居合わせた陣原とその友達の会話を聞いてしまいます。
陣原はもともと希のようなタイプは相手にしてこなかったけれど
結婚なら処女で他の男と比べないのがいい。
しかも希は大手企業の正社員。
しっかり稼いでくれて初彼から旦那ならしっかり尽くしてももらえるだろうと
計算づくのアプローチだったのです。
帰り際に現れた一真を希と関係ある男と勘違いして
予定が狂ったので今後の連絡はしない様子。
失恋専門
希は静かにその場を立ち去りました。
そして公園のごみ箱にマフラーを捨てる時
後ろから一真が声をかけてきます。
希はただ幸せになりたいだけなのにただ普通の恋人になりたいだけなのに
全くうまくいかないと一真に気持ちを伝えました。
もうお見合いしようかなとつぶやくと一真は何度目かのプロポーズ。
何で急にそんなことを言い出したのかという
希の言葉に一真は言うのでした。
希が事故ったと聞いた時死んだかもしれないと思った時
とても後悔したと。
もう中途半端なことはやめると。
そして抱きしめて耳打ちされたのは中3の夏キスしたのは
好きだったからだという囁き。
だから結婚しようという一真に希はしたいのは結婚じゃなくて
カップルのラブラブなんだと言い返します。
しかし一真はカップルのラブラブに社会的後ろ盾があるのが
結婚だろうと言って押し通すのでした。
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失恋専門の感想
軽くてポップででもちょっと考えさせられる。
いろいろな秀作を世に出している尾崎衣良さんの短編集。
ただユーモラスだったりキュンとするだけでなくて
ちょっと立ち止まって人生について考えさせられる短編集だなと
思いました。
恋とは何か結婚とは何か。
失恋専門
その他の収録作も含めて「間違ってもいいじゃない」という
テーマが感じられました。
物足りないという感想も見かけますがそれはきっと
「もっと読みたい」の裏返しのようにも思えます。
短い話数の中に見事に内容を治める手法はさすがです。
まるで小説のように行間を読ませるような雰囲気もあり
けれど決して重くない。
どこか軽くてポップでそれでいてふと考えさせてくれる。
そんな素敵なお話しばかりだと思います。
短編なのに読み方で見え方が違うのも素晴らしいと思いました。
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